産地　イタリア・ラツィオ州　プリヴェルノ
品種　オットネーゼ50%、マルヴァジア・デル・ラツィオ20%、サンジョヴェーゼ20%、チリエジョーロ5%、モスカート5%
色　ロゼ
容量　750ｍｌ

葡萄の樹齢は40年。
全て除梗して品種全てを混醸。
マセラシオンは1週間。
発酵終了と共に果皮を引きます。
So2無添加。
ちなみにこれらの品種や醸造は毎年違います。
彼等からの醸造方法の説明では"Be freaky"以上。


ラツィオからセーテのこのワイン。
白ブドウが主体なのにロザート。
マセラシオンは1週間と長いです。
ロゼなのかなんなのか境目がわからなくなる「普通じゃない」ワインですが、セーテらしいキレッキレの酸味とアロマティックな香り。
自然酵母の旨味の勢い。
サックサクな軽やかさ。
イタリアで赤い色のワインではほぼ見られない質感。
あらためて特殊な造り手、産地なのだとわかります。

香りはスモモ、クランベリー、ラズベリー、ちょっと紅茶感。
トーンが高く強い香り。酸はひと口目はなかなかの切れ味。
2回目から馴染みます。
上記の2種からはかなりかけ離れたスタイルで、セーテはやはり「パンキッシュ」な魅力を感じるワインだと思いました。
深く悩まず勢いに身を任せて飲むべし。



セーテ---
セーテはラツィオ州プリヴェルノでこの町出身のエミリアーノ、アルカンジェ ロ、マルティーナの若者3人を中心に活動する生産者です。
醸造工程で温度管理 やSo2の添加を行わない極めて自然なワイン造りをしています。
無農薬栽培の畑は彼らの祖父世代以前から残っていた畑で、樹齢は高いもので100年を超えるものもあります。
ただ、それらの畑は90年代頃から時代の流れにより、ほぼ放置されていた状態でした。
町に戻ってきたエミリアーノたちがその畑らを再生させ、栽培された葡萄はセーテのワインに使用されています。
彼らの活動はワイン造りを止めた町の再生にも繋がっており、町全体から温かく応援されているワイナリーです。

リーダーのエミリアーノは同じラツィオ州ボルセナ湖のワイナリー「レコステ」 で3年間働いていました。
普段は緩いサブカル系男子に見えますが、レコステで学んだ自然な醸造と感性、内に秘めた熱い情熱を持つ男です。

彼とプリヴェルノのパブでたまたま意気投合したのがアルカンジェロとマルティーナ。
現代イタリアの若い世代はあまりワインを飲まないらしく、アルカンジェロ達も親族の集まりの時に少し飲む程度でちょっと苦手だったそうです。
そ んな彼らはエミリアーノを通じて「ナチュラルワイン」の魅力を知ります。
同郷 とはいえ、年齢バラバラだった彼らはこの偶然の出会いを経てワイン造りとプリ ヴェルノの再生活動を目的とする「セーテ」を立ち上げます。
ちなみに名前の意味は「渇き」です。なんか青春映画のストーリーのようなイイ話です。

セーテのワインにはプリヴェルノ特有のケイ素を多く含んだ土壌から来る特有の ミネラル、エッジの効いた酸、アルコールが高くならないことを逆に武器にした軽く爽やかな質感。
品種由来のトロピカルな香りも個性的で非常に強いキャラク ター性を持っています。
エミリアーノたちの若さから来る底抜けな明るさもワインの魅力となり、世界中から引き合いが絶えません。

エミリアーノたちがワイン造り、ラベルデザイン、ネーミング、関わる人々との信頼関係、もろもろの経営、あらゆる面で妥協をしないからこそ成功しているのだと思います。
プリヴェルノというラツィオの片田舎で人生をかける若者たちの エネルギーが詰まったワインはきっと元気をもらえる美味しさです！




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